介護療養型老人保健施設の介護報酬単位等について  

 厚生労働省は33日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=大森彌・東京大学名誉教授)に対し、2008年度に創設する療養病床から転換する介護老人保健施設(介護療養型老健)の介護報酬単位数を示した。要介護5の利用者が多床室に入所し、介護職員4:1配置として基本施設サービス費だけを見た場合、月額334,000円となり、既存の老健を25,800円上回る試算になる。経過型介護療養は381,000円となり、介護療養型老健は47,000円下回る。分科会は報酬単位を含めた介護療養型老健の運営基準などについて厚生労働大臣に即日答申した。新制度は51日に開始する見通し。
 介護報酬の介護保健施設サービス費の中に、介護療養型老健の項目を新設。夜勤の看護職員がいる場合と、40人以下の小規模施設で夜間の看護をオンコール体制としている場合の2通りがあり、それぞれ個室と多床室に分けて評価する。多床室入所で夜勤の看護職員を確保した場合、要介護51,046単位(1日、以下同)、要介護4993単位、要介護3939単位などとなり、要介護3以上では既存老健を56単位上回る設定だ(下表参照)。介護職員の配置を転換後4:1に維持した場合、「療養体制維持特別加算」として127単位を加算する。
 厚労省が示した試算では、1カ月を約30日、地域加算を中間になる甲地(10.24/1単位)とした場合、月額の基本施設サービス費は約334,000円になる。既存老健は308,200円、経過型介護療養は381,000円となり、介護療養型老健の基本施設サービス費は中間の額になる。
 ユニット型の施設サービス費も新設する。多床室の場合で介護療養型老健や既存老健をそれぞれ3単位上回る形になっている。
 厚労省は介護療養型老健について、51日からの創設を目指している。今後、一般から意見募集し、省令や告示の改正などの手続きを進める。運用については通知で随時示す。

施設要件、認知症患者の割合を20%以上に
 厚労省は当初、介護療養型老健の施設要件について「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のMランクの人の割合が25%以上」としていたが、前回の分科会で委員から見直しを求める意見が多く出たため見直した。今回の答申案では、認知症の入所者に必要な医療的ケアの時間をあらためて計算し、割合を「20%以上」と改めた。

ターミナルケア加算、最大7.2万円
 施設内でみとった場合に「ターミナルケア加算」の算定も認める。30日を上限に1240単位を加算し、最大で72,000円を算定できる。医師が回復の見込みがないと診断した入所者について、ターミナルケア計画を立て、本人と家族の同意を得る必要がある。医師や看護師、介護職員が週に1回以上のターミナルケアを実施する。死亡時に救急搬送されるなど、入所施設以外で亡くなった場合には加算できない。

リハ含む診療計画作成に250単位加算
 入所者の個別の医療ニーズに対してそれぞれ加算を設定した。
 常時の感染対策には15単位、日常生活の自立度が低い入所者に褥瘡(じょくそう)対策を常時する場合も15単位を加算する。
 入所時に医師が診察や検査をして看護師と共同でリハビリ内容も含んだ診療計画を作成し、2週間以内に入所者に説明した場合には「初期入所診療管理」として250単位の加算を認める。
 喀痰吸引が常に必要だったり、人工腎臓を使いながら重篤な合併症状があったりするなど、重度の入所者には1120単位の「重度療養管理」を加算する。
 投薬や注射、薬学的管理指導をした場合は「薬剤管理指導」として月4回を限度に週に1回、350単位を付ける。
 「リハビリテーション指導管理」(110単位)も設定する。常勤の理学療法士か作業療法士を1人以上配置することなどが要件だ。このほか、言語聴覚療法や摂食機能療法、認知症に対する精神療法への加算も認める。



■人員配置等
 具体的な改正内容では、療養病床から転換した介護療養型老人保健施設で、夜勤を行う看護職員を配置している施設等については、新たな施設サービス費を創設するとしている。また、平成24年3月末までの経過型介護療養型医療施設については、看護職員の配置基準が異なる新たな施設サービス費を創設し、新類型の人員基準は、医師配置2名以上、看護職員配置6対1以上、介護職員配置を4対1以上とした